「ESPRO Ultralight Press」山で美味しいコーヒーを淹れたい(2)

ESPRO Ultralight Press

前回の記事「軽くて美味しい〜山でコーヒーを淹れるために最適なポットとは(1)」から約1年半の間、山用コーヒーセットは下記で固定されていました。


「ESPRO Ultralight Press」山で美味しいコーヒーを淹れたい

・コーヒーバネット cute(60g)
・ペーパー(4枚/3g)
・クッカー(63g/三点セットの中の1点、三点セットでは200g)
・バーナーと燃料(248g) <燃料を小さくしたので前回より若干軽量化しています。
合計374g

軽くて良いのですが、弱点がありました。

1. ドリップ中に湯温がどんどん下がっていく(仕上がりがぬる目)
2. 風が強いと全部吹っ飛ぶ
3. 挽いた粉をジップロックしてザックに入れてるが、歩いている間ずっとコーヒーの香りがする。


1については前回の記事でも触れていますが、最近は雪山にも足をのばしているのでドリップ中にじっと動かないのもアレですし、仕上がったらアイスコーヒーに!という心配もあります(ということで雪山には持って行ってません)。

予想外に辛いのが3。
前日夜に挽いてジップロックに入れて用意しても、翌日の山行中ずっとコーヒーの香りをザックから嗅ぎ続けるのは、山行中の自然の香りが好きな私には例え大好きなコーヒーの香りでもとても辛いのでした。試しにジップロックを二重にしても、劇的には改善されずにほんのり香りました。


ESPRO Ultralight Press


ESPRO Ultralight Press

そんな中、キックスターターで見つけたのが「ESPRO Ultralight Press」
アウトドア用にデザインされた携帯できるフレンチプレスです。

公開されているムービーでは山行するカップルがキャッキャウフフしながらコーヒーを楽しんでいましたので、それならと私も「1 Ultralight Black」に出資しました(現在は終了しています)。

一つ心配していたのが、そもそもフレンチプレスで淹れたコーヒーがあまり好みでないこと。
ひと昔もふた昔も前になりますが、仕上がりがオイリーで、かつ最後の方は微粉によってインスタントコーヒーのような舌触りになるので、早々に使わなくなりました。あれから随分経つので、フレンチプレスの進化にも期待するところはありました。

発送されるにあたり、オプションで紅茶好きになった時にためにとティーフィルターとペーパーフィルター(!)を追加。無事に2018年5月に到着しました。

本体 30ドル
オプション 18ドル
送料 21ドル


日帰り山行で淹れてみた

では山行に携帯しましょう。
これまでのセットとの重量差は214g。これをカバーできる味と快適さを手に入れることができるのでしょうか。
5月の天狗岳6月の木曽駒ケ岳の日帰り山行に使ってみました。
コーヒーはおなじみのAfterhoursブレンド(深煎り)です。

ESPRO Ultralight Press

・ESPRO(277g/プレス部分含む)
・クッカー(63g)
・バーナーと燃料(248g)
合計588g

結果から先にお伝えすると、淹れる&飲むに関しては前回セットより格段に快適です。
人によりますが、私自身はあまり山頂でゆっくりしたい派ではないですし、山行中に機材を丁寧にセットしてムニャムニャするのが性格的に合わなくて、パパっと済ませたいのでESPROはとてもマッチしました。

味の方は、往年のフレンチプレスのような雑な印象はありません。細かいメッシュが二重になっていることと、その間にペーパーフィルターを挟むことで脂と微粉が仕上がりに混ざりにくくなっているようです。

ESPRO Ultralight Press

ESPRO Ultralight Press

ESPRO Ultralight Press

説明書通りにお湯を注いで4分したらプレスし、カップに移して飲んでみるとペーパードリップに比べてヘビーに仕上がりますが、歩いた後はむしろこの位ガツンとしたのが飲みたいよねと思いました。
ライトボディなコーヒーがお好みの方は、もう少し浅煎りの豆を選ぶか、粉の量やメッシュ、抽出時間を最適化してみてください。

ESPRO Ultralight Press

ちなみに、カップに注がなくてもそのまま飲める構造になってます。
24gのコーヒーに300mlのお湯を注ぎますので、2カップ分の抽出が可能です。


今回は淹れてすぐ飲みましたので保温性は確認できてませんが、自宅で使用した限りでは時間をおくと暖かいけれども過抽出になり味はよろしくないように感じました。
ちなみにダブルウォールなので保温性は高いようです。

改善をお願いしたい点は1点。
ボトル内側に最大湯量を示す「MAX」が見難い点でしょうか。光の加減にもよりますが、粉を入れるとほぼ見えません。

ESPRO Ultralight Press


また、フレンチプレスの特性上仕方がないことですが、後片付けに工夫が必要です。
今回は日帰り山行で一回淹れただけでしたので、自宅に帰ってからキッチンで洗いましたが、泊まりなどで数回使う場合は、飲んだ後ボトルの底からコーヒーのガラを取り出してから使う必要があります。プレスされたガラは意外にキレイに取りにくいので難儀が予想されます。
「手軽!」というのがフレンチプレスのセールスポイントの一つですが、淹れるのは手軽だけど片付けが全然手軽じゃないように思いました。片付けはペーパードリップの方がはるかに手軽です。これはひと昔前に私がフレンチプレスを使わなくなった理由の主因でもあります。
ただ、プレス愛好家の方は予め理解してると思いますので、あくまでペーパードリッパーの視点ということで参考になればと思います。


日帰り山行にはオススメ


山とコーヒー


重さも前回セットよりは重くなりましたが、この手のアウトドアポットの中では軽量ですし、重量にシビアにこだわっている方以外にはお勧めできるギアです。
シンプル&シックでデザインにこだわりのある方にも愛されそうです(特にこのつや消しブラックが、つや消しブラックがイイ!)。
キックスターターでは北米のスターバックスで取り扱われるとありますので、今後の展開が楽しみな「ESPRO Ultralight Press」ですが、
Afterhoursブレンドも合わせてどうぞよろしくお願いいたします。


ESPRO Ultralight Press オフィシャルページ

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横田茂 / Shigeru Yokota
コーヒーと音楽と山歩きが好きです。整理整頓、夕食の準備が日課。フリーのウェブデザイナー。
Afterhoursではコーヒーとデザインを担当

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