Afterhours | ケーキ 焼き菓子 クッキー缶

ホーム

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去年の11月23日の夜のことでした。イベント「1 day cafe」でFさんとOさんと一緒に一日中コーヒーをドリップした晩のこと。帰宅してシャワーを浴びてから、Fさんからいただいたローストビーフを頬張ったのでした。「あぁ、なんて美味しいんだろう」。私は本当に美味しいお肉を食べている幸せを、「あぁ」というため息みたいな声を出しながら感じてしまいました。イベントの前の試食会でも食べていましたし、イベント中にも空いた時間にちょっとつまんだりしてはいたんですが、自分の家でゆっくりと落ち着いて食べると、お肉の奥の奥から味が次々と沁み出してくるのがわかった。優しく丁寧に作られたであろうお肉に感じてしまった。

私はケータリングを中心に活躍されているFさんに手紙を書きました。

「あそこに行けばFさんの料理を食べられる場所、Fさんがいるhomeのような場所をつくってください」

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矢沢永吉さんの「成りあがり」を読んだのは、28才の頃だと思います。先輩に「騙されたと思って読んでみろ」と無理やり貸されました。先輩が「騙されたと思って」と言ったのは、「おまえは矢沢的世界が嫌いだと思うけど」が省略されているわけで、確かに私もそれまで矢沢的世界には一度も近づいたことがありませんでしたから、貸されてもしばらく放っておきまいした。けれども一度読んだら、良かったんです。良かった。それから随分後にはなりますが、年末の武道館にも見に行きましたし、タオルも買いました。そのコンサートで矢沢さんはハンチングを被ってたんですが、私は自分には似合わないと思って一度も買ったことがなかったハンチングを次の日に下北沢で買いました。いつも矢沢さんのことを考えている程のファンではありませんが、いつもリスペクトはある存在にはなったのです。

「成りあがり」から約20年後の2001年に「アー・ユー・ハッピー?」という二冊目の本が出ています。私がコンサートに行った頃でしたので、発売してすぐに買って読みました。
今日の夕方、久しぶりに読みたくなったんですが、どうやら押し入れの奥の奥に入ってるようで出てきません。確か加筆された単行本が発売されてたはずだと思って、さっき買ってきて、その加筆されたところから読み始めるとこんな文章に出会いました。

「世の中は、ホームを持ってるやつと持っていないやつに分かれるんじゃないかと思うね。ホームっていうのは自分が帰るうちだ。家庭じゃなくてもいい。仕事かもしれない。 矢沢のホームは、ものをバーンと見せられるところだ。コンサートの快感もそうだし、CDもそうだね。オレはホームをちゃんと持っている。〜中略〜 これを持っているから、ドーンと構えていられるんだな。アウェイばかりの人生は、人間という生き物には、難しすぎる。」
矢沢永吉「アー・ユー・ハッピー?」(角川文庫)より引用させていただきました。

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Fさんの屋号が「HOME.」になったとさっきお知らせがありました。
きっと幸せなホームになることでしょう。おめでとうございます。